ネパールNGOスタッフ学校設立に向けて

2010年6月15日火曜日

情けは人のためならず

僕は事務所から一切お金をもらっていない。事務所にもPCやコピー機等充分な備品を購入するお金がない。よって、何らかの方法でお金を稼がねばならない。

現在のところシラジットというアユールヴェーダ系の健康食品?やNUPURという整髪剤?等、日本で手に入らないものを日本の知人の依頼で個人通信販売代行業をしている。テストケースなのでたいした利益は無い。しかし、反響が良いようなら、GoogleADWordsやAmazon等インターネットを通しての個人の通信販売代行も考えて行きたい。

フェアトレード等についてもいろいろ調べている。以前にも書いたように、僕はネパールのような国にこそ早期教育が必要だと思っている。差別と貧困に苦しんでいる母子家庭はネパールやインドでは非常に多い。子供に物乞いをさせている母親をカトマンズでは良く見かけるが、そういう生活が当たり前になってしまってからでは僕には手の施しようがない。そうなる前に技術と仕事、充分な栄養のある食事と誇りをもった生き方を取り戻してもらわねばならない。

そのために、日本からの技術支援や、母親が働いている時間に子供に日本語の絵本を読んであげたり、折り紙を教えてあげたりといったボランティアの支援が必要となる。
ネパールではアウトカーストの人達は自らをダリッド(壊された人達)と呼んでいる。虐げられ、日本では考えられない貧困の中で生活してきた人達では、誇りと自立心を持った子供を育てることなどほとんど不可能と言って良い。

日本で定年退職をした人達の選択肢の一つとして、快適な老人ホームに入ることより、恵まれない人達に文化を伝えることも考えてもらいたい。ネパールには日本のように充分な医療機関は無い。けれども病院のベットで薬漬けになって息を引き取るより、子供たちの笑顔に囲まれ短くとも生甲斐のある人生を送れるほうが僕には余程魅力的な生き方に感じられる。

日本の年金は破綻状態にあるとよく言われてる。今後、十年二十年後に今の年金額が支払われることはまず無いと思われる。けれどもネパールでなら月に3万円や5万円もあれば、それほど生活に困ることなく生きていける。そして、個人的にはネパールに必要なのは寄付金ではなく海外からの出資だと考えている。誇りと感謝の心を持つ人達が勤勉に働くようになればこの国はきっとすばらしい国になる。

僕は前にネパールにはアジアのスイスを目標にして欲しいと書いたことがある。日本人だけでなく、いろいろな先進国の人達が老後をこの国で過ごすようになれば、中国とインドという将来世界で最も力を持つであろう大国もネパールに無理な要求を出来なくなる。自国民が居住している以上、多くの先進国に庇って貰えると考えられるからである。この国が平和を維持するためには先進国の長期滞在を受け入れやすくすることが一番良い方法だと思うのである。