ネパールNGOスタッフ学校設立に向けて

2010年6月10日木曜日

ダンプス視察



所属するNGOが建設している学校を視察するためにダンプスに行った。ダンプスはカトマンズからポカラを経由した先にある、ヒマラヤの麓の町だ。ポカラまでの道は舗装がしっかりしておりバス7時間程度で着くが、そこからの道は車がジェットコースターに思えるほどの岩だらけの道のりだった。観光のゆとりは無かったが、3日間の日程は山岳民族の生活を知る上でも教育の実態を知る上でも僕には実りの多いものだった。
世界一周をしている日本人の知り合いも出来、最近のチベット情勢についての話を聞くことも出来た。
工事そのものは順調ということで、村人や子供たちにもたいそう歓迎してもらった。村の女性たちからも歓迎を受け43歳の僕がなんと13歳の女の子にお嫁さんにしてくださいと言われてしまった。もちろん冗談でまじめに受け取るととんでもないことになる。ネパリの女性はお祭り騒ぎのときなど陽気だが基本的に慎み深い。ダンプスのような田舎町で下手なことをすると冗談抜きで父親に殺されかねない。基本的に日本のNGOが信頼されているからお祭り騒ぎの冗談で済むのだ。

ダンプスの丘から見る朝のヒマラヤ山脈は少し雲に隠れてはいたが美しかった。トレッキングにネパールまでやってくる気持ちもすがすがしい空気と共に心の内に広がってきた。

工事内容は順調ということだったが、やはりネパールだと感じさせられるところばかりだった。2年前に法律で耐震基準が変わって頑丈になっているとの事だったが、この村の子供が一日の半分をこの校舎で過ごすのかと思うと正直胸が苦しくなる。確かに鉄筋コンクリートの鉄筋は太くなり、レンガの耐久性も増しているとの説明は理解できた。しかし、ネパールには70~100年に一度の割合で大きな地震が起きている。前回の地震から70年。カトマンズにある多くの建物に比べればかなりましだと感じたが、次に地震が起きたときには一体どれだけの人達が亡くなるのだろうか?
しかし、学校建設は普段貧しい農家をしている村人たちの経済を支える一面も持っている。時々はいろいろな工事をしていると思われる普通の村人に高度な建築技法など理解できるはずもない。外国の技術者が手取り足取り指導しても、本当の意味でこの国の為になるとは思えないし、そんな資金などどこにも無い。

たとえ遠回りでもこの学校建設は意味があるのだと納得するよりなかった。
ヒマラヤの写真を載せたかったのだが、工事現場の写真をたくさん撮ったため電池がなくなってしまった。
カトマンズのホテルに戻ってからは、また停電。雨季で客が減り自家発電を節約しているように思える。