ネパールNGOスタッフ学校設立に向けて

2010年8月13日金曜日

ネパール語

最近はできる限り時間を作ってネパール語を覚えることにしている。
ラクサールの孤児院を訪れた際、ネパールに来て1年余りのJICA日本人スタッフがかなり流暢なネパール語を話していたのが直接のきっかけだ。僕の周りにはネパールに来て結構長い時間を過ごしていてもネパール語が話せない人がかなり多い。僕自身、英語を覚えるのにかかった時間と現在の英語力レベルを考えて、これからネパール語を覚えるのは無理だろうと最初からあきらめていた節がある。しかし、彼のブログを読んで一日十時間以上にわたって何ヶ月も勉強していたという件を読み、己の覚悟の甘さを実感した。しばらくブログを更新していなかったのは時間があればネパール語を覚えていたからで、これから先も更新の頻度は少なくなると思う。
このように書いていればそれなりに話せるようになったと勘違いする人も出てくるかもしれないが、僕のネパール語のレベルは費やした時間に比べ、大して上達していない。英語やフランス語のアルファベットを覚えるのに、それほど時間を費やした覚えは無いのだが、ネパール語は初歩的な読み書きが結構難しい。おまけにきちんとした参考書を日本から持ってこなかった。・・・今更ながら日本での準備を怠ったことを後悔している。
取っ掛かりを掴めば、ネパール語は日本語と文法が似ているので上達は早いと言われているが、これがなかなかに難しい。これはあくまで私見であるが、ネパール語は日本語のように文字や発音の簡略化、外来語の取り込みや整理・体系化を怠っているように見受けられる。PCでの入力もWindowsやフォントにバグがあるものが多く、フォントによって出せない文字が結構ある。僕の知っているネパール人でネパール語を普通にPCで使っている人は誰もいない。このままではネパール語は文化的に衰退の道を歩むのではないかと感じているのは僕だけであろうか?私立学校での授業は英語で行われ、携帯の表示やメールもすべて英語である。インターネットでもネパール語に限らず南アジアやアフリカ諸国の言語は非常に少ないように思われる。
僕は文化には多様性が必要だと考えている人間である。あまりに母数が少ない少数民族の言語や文化は統合・吸収されていくのは歴史的な必然だと思うが、自国の言語や文化に誇りと愛情を持つのであれば、単に学校教育を自国語で行うといった単純なことではなく、言語そのものに改良を加え、自国文化の長所を見直し外国文化の長所と融合させ普及に努めなければグローバル化という歴史の流れの中に消えてゆくだろう。世界中の人達が単一言語を話し、ファーストフードやコンビニエンスストアが立ち並ぶ社会は合理的ではあっても面白みにかけると思うのは僕の個人的な感傷であろうか?